種の拠り所 Species base
山田陽太 Yota YAMADA
作品コンセプト
- JP
- EN
戦前の茨木市は、上質なお米が育つ有名な町で、「この茨木、酒店の多きをもって町をなす」という言葉が残るほどに、稲作や酒造が盛んな町であった。しかし、戦後の赤字経済を脱するための経済政策により、工場の誘致が進められた結果、街を支える産業は農業から製造業へと移り変わっていった。近年、街の産業を支えてきた製造業の市外移転が進み、多くの工場跡地が出現している。しかし、その跡地の多くは集合住宅や商業施設として利用され、今後のまちを支える産業基盤にはなっていない。そこで、工場跡地という、地域住民の近寄りがたい地を、製造業が栄える以前、茨木のまちを支えていた農業の遺伝子を用いて、人・生物の活動拠点として活用していくことを提案する。
In recent years, the manufacturing industry, which has supported the city's industry, has moved out of the city, and many factory sites have appeared. Therefore, we propose to utilize the inaccessible factory site of local residents as an activity base for humans and living things by using the agricultural genes that supported the town of Ibaraki before the manufacturing industry prospered.