琵琶湖賞the Biwako Prize
シオの追憶~広島県竹原市の記憶を運ぶソルトシップ~ Memories of Salt ~Saltship carrying the memories of Takehara City, Hiroshima Prefecture~
河内遼 Kochi Ryo
作品コンセプト
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現代社会で「食」は、私たちの生命を支える根幹であるにもかかわらず、単なる消費の道具として扱われ、その本来の価値が失われつつある。その結果、食品ロスや環境破壊といった深刻な問題が次々と生まれ、食と自然のつながりは薄れ、「食」の背後にあるストーリーは見えないブラックボックスへと隠されている。このままでは、人と自然が紡ぐ食の関係が完全に断ち切られてしまう危機さえ感じられる。そこで本計画では、食文化の基盤である「塩」に注目し、塩作りで栄えた港町を舞台に、建築を通じて、塩づくりの伝統を再考する機会をつくる。塩の文化を通じて、人が自然と向き合い、その恵みを体感できる場を提案する。この取り組みは、塩の歴史を受け継ぎつつ、未来に向けた持続可能な「食と自然の新しい風景」を再生する試みである。
In modern society, food's value is diminishing, leading to waste and environmental harm. Our project revives the tradition of salt production through architecture in a historic port town. By reconnecting people with nature and salt culture, we aim to create a sustainable future where food and nature remain intertwined.